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2006年09月10日 [16:06] コミックレビュー 

ブラック・ジャック/手塚治虫



「人生においての最高傑作は?」

と問われたときに、20年にも満たない寡読な漫画読みとして回答するのがこの作品であります。
出逢ったのが中学生の時なので、殊更心に響いたのかもしれません。

人が生きるということ。人が死ぬということ。
人が人を助けるということ。人が人を殺すということ。
人が人を生かすということ。人が人を死なすということ。

病、科学、延命、性差・人種差別。etc etc.

凡庸な漫画家であれば取り扱うにはあまりにも重いであろう哲学的な命題を、「漫画の神様」と呼ばれる著者は毎週描き続けていたのです。

時にコミカルな、時にハッタリが過ぎるほどのファンタジックな表現も交えながら、人類の功罪を世に問うこの作品。連載開始から30年を経過した今読んでも、その訴求力が衰えることはありません。老若男女問わずお薦めできる漫画です。


■B・Jの性格について

ブラック・ジャックこと間黒男(はざま・くろお)は他に類を見ない、「冷酷さと優しさを併せ持つ人格」であると思います。
相手の貧富を問わず、請求する額は法外で桁違い。明らかな「弱者」として描かれているキャラクターには単に「治したいという意志」を量るための脅し文句に使われることもありますが、多くの場合は実際に払わせているのでしょう。

そのような単純にドライな性格、というだけならB・Jの魅力は半減していたかもしれません。しかしそうではない。
優しさと情熱も同様に、それも遺憾なく発揮しているのです。
特に恩を受けた相手には鶴のごとく執拗なまでに恩を返したがり、また未熟な研修医たちが執り行う手術が気がかりでいてもたってもいられなくなるというお人よしな面も覗かせています(文庫版3巻p107)。

ストーリーテリングの妙もさることながら、B・Jやピノコの立ち回りも欠かせない要素であることは言うに及びません。


■「ブラック・ジャック」アニメ版について

2004年10月より日本テレビ系にて放映開始、途中「ブラック・ジャック21」とタイトルを変え2006年9月に終了するまで、毎週欠かさず……とまではいきませんでしたがほぼ全話観賞しました。

評価は一言で言うと、「子供向けに改編されたブラック・ジャック」でしょうか。

この辺はあまり大口を叩けませんが、作画やキャスティングなどのクオリティに関しては申し分なかったように思えます。
しかし、19時というゴールデンタイムでの放送、かつ現代の過剰な倫理規制によって、生々しくもリアリティに富んだストーリーは口当たりの良い内容に修正され、手術シーンに至っては初期はメスの先まで描かれない、というある意味「改悪」的なものでありました(確かに夕食時に強烈な映像は見たくないので、理に適っているのが痛いのですが)。

その他諸々、小さなお子様でも楽しめるようなキャラクター構成を設定してはいるのですが、それゆえ原作が持つ一種のストイックな雰囲気が壊されているように思えます。B・Jも何となくただのいい人になっている感が否めませんし。

アニメが駄作だの何だのとは言いませんが、「ブラック・ジャックはこういう作品」であり「ブラック・ジャックはこの程度の作品」ではないということを切に伝えたいです。
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  ブラック・ジャック----『ブラック・ジャック』は、昭和48年(1973年)11月19日号~昭和58年(1983年)10月14日号にかけて『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)に連載(昭和54年(1979年)以後は読切掲載)された手塚治虫の漫画作品。医療漫画の元祖として有名な作品である

2007/07/29 13:44:42[このマンガが読みたい!]

    買った漫画を片っ端からレビューしていきます。
    「↓Open. 」以降の文章は基本的にネタバレ配慮無しなのでご注意下さい。

    ジャンルはギャグ、ラブコメ中心。
    雑誌単位ではCOMIC REX、週間少年マガジン、少年エース系が多し。

    管理者:AKHUA (あくあ)
    後天的漫画オタク。 私財の4割を漫画、7割を趣味に費やしてます。

    AKHUA

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